770年余りの歴史を誇る伝統的工芸品・博多織の織元として、1949年4月に創業したサヌイ織物は、2019年12月21日(土)に初となる直営店を福岡市のJR博多駅構内の商業施設「マイング」にオープンした。
今回の直営店オープンに関して株式会社サヌイ織物の讃井勝彦社長は「2019年の6月に、博多駅で残り2店舗となっていた伝統的工芸品を扱う店が、同時に2店舗閉店してしまいました。博多駅というのは、九州の陸の玄関口と思っています。そんな九州の玄関口である博多駅から伝統的工芸品が買えなくなるということに、私は衝撃を受けました。」と語る。
「マイング」に半世紀以上前から出店していた博多人形専門店の「増屋(ますや)」と「はくせん」は、博多織も取り扱う店舗を営業していたが、ともに2019年6月20日付で閉店。業界内外で驚きと戸惑いの声が広がっていた。
讃井勝彦社長は、「私は居ても立っても居られなくなり、博多駅で伝統的工芸品を扱う重要性について、マイングの運営会社である博多ステーションビルに直接訴えに行ったんです。その中で、元々弊社で予定はしていませんでしたが、急遽直営店をオープンしようという運びになりました。」とオープンの経緯について語った。

サヌイ織物では、帯地を作らずにギフト製品の開発に力を入れており、博多織の小物を100種類以上作っている。今回オープンしたサヌイ織物博多駅マイング店では、博多織小物 約70種、約800点。博多織ネクタイ10種、200本以上、博多人形5~6種を取り扱う。讃井社長は「博多人形の販売は今回が初めてのことですが、博多織だけではなく、同じ伝統的工芸品である博多人形の取り扱いも増やして行きたいと思っています。店舗が小さいため、数を置くことはできませんが、店頭には季節の博多人形などを置いていきたいです。カタログ注文も受け付けています。」と博多人形の販売についても語った。


讃井社長によると、オープンから1ヶ月ほど経つが、海外の観光客などからも「カワイイ」と好評で、今まで博多駅で博多の伝統的工芸品である博多織や博多人形を購入していた方々からも「また博多駅で購入できて嬉しい」「ありがとう」との声が上がっているという。讃井社長は「まだオープンして1ヶ月ではありますが、まずは認知度を上げ、いつでも博多駅に来れば博多織が買えるという店を目指していきたい」と今後の意気込みを語った。
